富士山はどこから眺めても、
常に一点の疑ひもなく悠々として空中に懸つてゐる。

―田部重治『日本アルプスと秩父巡礼』より ―

一年で最も山がその懐を深く広げ、
雄大な姿で私たちを迎えてくれる 季節。
大正の登山家・田部重治が「一点の疑いもない」
と讃えたその威容は、
夏の突き抜けるような青空に、どこまでも静かに、
悠々とそびえ立ちます。

七月の河口湖は、まさに光が躍る季節。
陽光を浴びて宝石のようにきらめく湖面と、
雨上がりにいっそう深みを増す
常緑樹のみずみずしい緑。
湖畔を紫に染めるラベンダーの柔らかな香りが
風に乗って届き、
五感を心地よく刺激します。

ふふ 河口湖の客室に足を踏み入れた瞬間、
目に飛び込んでくるのは
圧倒的な存在感を放つ夏の富士。
田部重治が「空中に懸つてゐる」と称えたその姿を、
誰にも邪魔されず、ただ静かに独り占めする贅沢。
常緑樹の深い緑と、宝 石のようにきらめく湖面。
富士の夏を呼吸する、至福のひとときを。

夜の帳が下りると、
漆黒の山肌に点々と連なる
富士登山の山小屋の灯が浮かび上がります。
それはまるで天の川へと続く道標のように、
夏だけの幻想的な風景を
窓枠という額縁の中に描き出します。
静寂に包まれた客室で、
ただ富士の鼓動を感じ、自分自身と対話する。
ふふ 河口湖が贈る、
静かで贅沢な夏の夜をお愉しみください。